異色の社労士、労働問題を科学する<第3回①>

『大学卒業から薬局を開業するまで』

前回は、【業務改善助成金】を取り上げさせて頂きました。もし、 お読みでない方がおりましたら、 非常に重要な内容が書いてありますので、 6/20号を探して頂ければ幸いです。おさらいとなりますが、業務改善助成金とは、 事業場内最低賃金を引き上げることで、 設備投資などに支出した費用の一部を補填してくれる助成金のことです。条件さえ合致すれば、 毎年申請できる助成金ですので、 御社の発展に寄与すること間違いございません。申請のコツなどは前述の号に記載しておりますので、 ご確認頂ければと思います。
さて、 今回も引き続き事業に役立つ助成金の紹介でも良かったのですが、 常日頃愛読させて頂いております《TEIKOKU NEWS》を読みながら、 私が事業を行う上で最も重視している信用ということについて先に述べておこうと思いましたので、 メインテ ーマは信用の重要性と作り方とさせて頂きます。

「信用によって出来ることが変わる」

この《TEIKOKU NEWS》の読者さんは、 信用調査会社である帝国デー タバンクさんの情報を閲覧するために会員となられていることから、 恐らく、 事業の基礎は信用であるということを否定される方は少ないと思います。著者プロフィ ー ルに記載しています通り、 私は武田薬品工業株式会社のMRとして営業をしておりました。同社は業界では非常に有名な企業でしたので、関係先(医薬品の卸売業者など)では随分優遇されたりもしました。当時は、 病院に入れば、 病棟や手術室などの一部の場所を除いてフ リーパスで入っていけました。つまり、 武田薬品という看板が信用となり、 個人の能力以上の効果を付与してくれていました。同社に在籍していた間は、 自分たちの実力を過信しないようにという意味で、「自らの市場価値を客観的に認識するように」ということをよく言われていましたが、「ハイクラス転職」などという言葉が流行る前でしたので、 それを調べる簡単な方法はありませんでした。漠然と、「会社を辞めたら大変だぞ」ということが言いたいのだろうと思っていましたが、 実際に大企業を辞めてみると、確かに同じ関係先に行っても、”それなり” のお付き合いしかなくなり、 信用(看板)が如何に大事であるかを実感することになりました。

「事業拡大の2つの方法」

私の拙い見識では、 事業を大きな成功に導くためには2つの方法があると考えています。
一つ目は、 パラダイムシフトを起こすことです。パラダイムシフトとは、《革新的な方法を提供したり、既存の価値観を変化させたりすることで、 市場を劇的に変化させること》を言います。結果として、パラダイムシフトを起こした事業では、 勝手にお客が増えることになります。医薬品業界では、 画期的な新薬が承認されたときにそのようなことが起こります。その場合、 医師の治療方針が大きく変化し、その薬の売り上げは飛躍的に伸びることになります。ただし、 医薬品の開発には莫大な費用と年月がかかります。資金が集まり難い日本において、 事業規模の小さな会社がこの分野でパラダイムシフトを起こすのは非常に困難だと思われます。一方、 IT系などは分かり易いと思います。とあるアプリがリリースされ、 その性能が市場のニ ーズに合致したときに、 数年で上場するような企業が登場します。国の方針でも、 このようなパラダイムシフトを起こすベンチャ ー企業を多数世に送り出すために、 人材育成や資金提供などを行っているようです。
二つ目は、 仕事の経験を積み、 その経験をもとにのれん分けや関連業務を事業化して独立し、 その事業を軌道に乗せることで市場から信用を勝ち取り、 事業を拡大していく方法です。

『信用を積み上げる』

私も会社員時代は、 パラダイムシフトを起こすような仕事が出来ないかと自分に期待もしました。 独立した今でも少しはその期待を残していますが、 会社員時代と大きく違うのは、 リスクの大きさです。パラダイムシフトを目指した博打的な経営はちょっと難しいかなと思っています。 私は調剤薬局の事業主として独立する前に、 中規模のグルー プ調剤薬局に転職をしました。 理由は、 独立して一個人として信用を積み上げなくてはいけない手間や時間を嫌ったからです。 残念ながら、 そこでは思ったような仕事が出来ないことが分かりましたので、 期せずして独立に踏み切ることになり、 信用= 0の状態から事業を始めました。 信用がない状態でどのようなことが起こったのか記載します。

• 銀行からお金を借りる時の金利が高く、 事業計画への注文が多い。
• 取引業者が制限を付けたがる。(返済期間が短い 値引き率も悪い)
・ 人材が集まらない。(紹介会社の対象にならない 求人への応募がない)
・ 業者の出入りが少なく、 情報が集まらない。

特に頭を悩ませたのは、 下の2つ《人材》と《情報》でした。 これらの不足がある程度解消され、 事業拡大の一歩が踏み出せるまで3年の時間を要しました。 3年間事業を継続できたことで、 ある程度周りから信用されるようになり、《人材》と《情報》が集まり、 その後の2年間で4店舗増やすことに繋がっていきました。<第4回②に続く>

〈著者プロフィール〉
オフィス スマートワークスタイル 代表 社会保険労務士 下田 明範

[略歴]
<1974年>
 3月27日生(50歳) 埼玉県上福岡市(現ふじみの市)出身
<1997年>
 東京理科大学薬学部卒業 薬剤師免許取得
 同年から17年間武田薬品工業(株)のMRとして大学・大病院を担当
<2016年>
 栃木市にそらいろ調剤薬局を開業(2024年4月現在栃木市3店舗・小山市1店舗)
<2022年>
 オフィス スマートワークスタイルを開業 (2024年4月現在社労士4名・事務員2名在籍)
<2023年>
 栃木県社会保険労務士会 理事就任
<2024年>
 社会福祉士通信課程(一般)に入学
 年金マスターとして週1回年金事務所に勤務障害者雇用管理サポーター登録

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